本源寺本堂の正面、須弥壇上に厨子に納められた状態で安置されています。蓮華座の上に坐し、左手に宝珠、右手に錫杖を持ち、胸には瓔珞をつけた姿をしており、宝珠をつけた円御光形の光背を背負っています。厨子の裏側および底面には、次のような銘文が刻まれています。
【裏面】
大小壇那主等
下野梁田郡久保田村玉林
山本源寺
本尊奉造立住持心叔 敬白
癸 元禄六年 酉 霜月廿四日
【底面】
京堀川通四条上ル町
大佛師 法橋 福田康圓作之
(花押)
厨子の銘記によれば、京都の大仏師 法橋 福田康圓の作であり、元禄6年(1693年)、本源寺の本尊として心叔和尚の代に、多くの檀信徒により奉納されたことがわかります。
台座、光背、厨子を含めた延命地蔵像の優品として、また造立年代のわかる歴史資料としても貴重なものです。